ヨヨギ産のブログ

明日になったら、今日は過去。

夏休みの宿題が「ナンセンスなこと」に成り下がった

http://www.flickr.com/photos/7416936@N05/5929565541
photo by A. Strakey

最近、宿題代行という仕事があるらしい。
親がその業者を雇って、子供の宿題作業を委託して、料金を支払う。

部活を優先させたい、私立への受験勉強を優先させたい、といった事情から
親はその業者にお金を払って、依頼するのだという。

まあ、普通に考えて、学校教育というものを「完全にナメた態度」ですよね。
尾木ママも、とっても怒っておられます。
尾木ママ、夏休みの宿題代行サービスに「れっきとした『詐欺罪』です!!」 - IRORIO(イロリオ)
夏休みもこれで安心?新サービス「宿題代行」に賛否両論! - IRORIO(イロリオ)


いったいこれは何なんだ?というわけで、
この機会にちょっと考えてみました。

そもそもそも、てか、夏休みってなぜあるの?

春休みや冬休みも。
要は「小学生の長期休暇の存在意義とは何か」。

夏休み - Wikipedia

夏休みは温帯に属する国々を中心に広く実施されているが、その目的は各国によって異なる。夏季の暑熱の回避が主因となることが多いが、学事年度間(アメリカ合衆国)、夏季の伝統的な慣習の存在など、他の要因が実施の副要因となることも多い。

うーん、あんまりピン!とこないので、
なぜ夏休みがあるのか、思いつく限りにあげてみた。

(あくまで子供にとってのメリットという観点で)

(1)暑い季節に学業をやっても身にはいらないので
(2)暑い季節に毎日学校に通うことは健康を害する恐れがあるから
(3)1学期中にたくさん勉強して疲れたから、少し休むために
(4)「お盆休み」の時期に子供が家族行事に参加できるように
(5)学校で学ぶのではなく、自分が学びたいことを自由に学べる時間をとるために

(1)の場合は、家で勉強しても身が入らないのは同じ。
したがって、夏休み期間は「休み」にするべき。

(2)の場合は、健康が第一なので「休み」にするべき。

(3)の場合は、そもそもアタマが疲れているわけです。「休み」にするべき。

(4)の場合は、「お盆休み」の時期のみ、家族行事をすればよい。
したがって、お盆期間のみ休みにすればいい。

(5)の場合は、学校以外の場所にいるべきなので「休み」にするべき。

オーケー、大まかに言って、やっぱり子供にとっても
夏休みは学校の勉強とは違うことをやったり、
ゆっくり休んだり、家族と過ごすのがいいのね。

そこで宿題代行の件。

夏休みは上記のような理由で「休み」にしてるので、
本来なら「夏休みの課題」というのは
子供の興味や、体の調子にあわせて、
やりたい人だけやればいい、というようにすれば
良いのではないでしょうか。

みんながみんな「一律」に同じ宿題をやることはないと思います。
極端な話、ボーっとして過ごしたい子は、
それでも良いと思います。少なくとも
アタマとカラダをしっかり休ませることができますし。

また、どんな課題でも、その子が一生懸命やっていたら、
学校が出した課題かどうかにかかわらず、
その子にとって価値のある「夏休みの使い方」に
なると思います。

夏休みに部活を優先したいのであれば、
部活を徹底的にやって、成果や自分が感じたことや
成長できた部分をまとめてもよいし、

夏休みに受験勉強を優先したいのであれば、
その勉強の内容をまとめてもいいし、

なんか、子供の意向を考えずに学校側が決めた「一律に出す課題」というのが、
家庭から見ると「ナンセンス」に見えてしまっている。

で、結果的に

「やらせたくないけどどうしてもというならやりますよ」
「で、提出すりゃ文句ないんだろ、じゃ人雇うわ」

ということになっているような気がします。

もちろんこんな発想する親も、まったく褒められたもんじゃないんですが、

そんな親を見た子供が

「あ、お金で処理するくらい、夏休みの宿題って意味が無いんだ」
「あ、先生が出した課題って、ナンセンスなんだ」
「あ、先生ってナンセンスな存在なんだ」

となるのは、本当にヤバイ感じがします。

一刻も早くこの状態を改善すべきと思いますが、
親、学校、教育委員会、国を挙げて
本気で取り組むべき課題だと思います。

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